アテネに到着した日の夕方、アテネ国立考古学博物館へ足を運びました。
この博物館には、アテネ近郊やギリシャ国内の島々の先史時代からの出土品や、銅製品・彫刻・壺・装飾品などが数多く展示されています。歴史の教科書で見た有名な像もあり、展示内容に非常に親しみが湧きます。じっくりと見ていると、あっという間に時間が経ってしまいました。
アテネに到着した日の夕方、アテネ国立考古学博物館へ足を運びました。
この博物館には、アテネ近郊やギリシャ国内の島々の先史時代からの出土品や、銅製品・彫刻・壺・装飾品などが数多く展示されています。歴史の教科書で見た有名な像もあり、展示内容に非常に親しみが湧きます。じっくりと見ていると、あっという間に時間が経ってしまいました。
翌朝は、アクロポリス遺跡を訪れました。混雑する上に日中は暑くなるので、朝早くの訪問をお勧めします(9時ちょうどの開門時感に合わせて行きました)。アテネの夏は陽射しが強いので、サングラスは必須です。砂埃も多く喉が渇きやすいので、飲み物も忘れずに持って行くと良いかと思います。
アクロポリス遺跡は、アテネ市街ど真ん中に小高い丘にあり。市内を見下ろすように存在しています。アテネ地下鉄にはアクロポリスという駅名がありますが、滞在していたホテルから一駅だったこともありモナスティラキ駅から歩きました。道がわかりづらく、人気も多くない道なので不安になりますが、こちらの駅からでも問題なく到着します。
かつての城壁にそって、登ります。
前門(プロピリア)をくぐります。
何やら作業中でした。
門をくぐって、どーんと見えるのが、パルテノン神殿です。パルテノン神殿を一言で言うならば「工事現場」で、まさに復元工事を行っている真っ最中でした。紀元前432年に完成し、1687年に大破したものを復元中とのことです。使えそうな部分を残しつつ、新しい石材を使って建造しています。
クレーンにより、石材が運ばれています。
石材が山積みになっていました。
パルテノン神殿を横から眺めると、つぎはぎだらけなのが分かります。
神殿がある丘の上は、かなり広くゆったりとした空間です。
アクロポリスの丘の展望台からは、市内が一望できます。アテネ市内は、高いビルが殆どなく、盆地にべたーっと建物が広がっているです。
こちらはエレクティオン。6人の少女像の柱が特徴的です。これ以外にも沢山の神殿跡があり、アクロポリスのかつての繁栄が窺い知れます。
前門(プロピリア)から、アクロポリスの丘を降りました。
下に降りると、作業員がちょうど石材を加工していました。一つ一つ細かい作業です。パルテノン神殿の復元は、スペインのサクラダファミリアのように、非常に根気強い作業が求められそうですね。
パルテノン神殿を回った後、他の遺跡も回ってみました。
パルテノン神殿の下にある、ギリシャ最古の遺跡です。かつてはどんな劇場だったのか、気になる所です。
彫刻の野外展示室も隣にありました。
2世紀に建てられたとのこと。
こちらからパルテノン神殿も望むことができます。
かつての建造物の一部だったと思われる石材が、野ざらしに放置されています。
古代アテネの中心地で、政治、宗教、文化的な施設があったとのことです。アタロスの柱廊は復元とはいえ美しく、見とれてしまいました。
内部には、古代アゴラの簡単な展示などもあります。
古代アゴラには、数多くの柱廊の礎石が残ります。かつての文化人が、演説の際に使ったと思われる演台なども残されていました。
こちらは教会。
最も原形を残している神殿、ヘファイストス(テセウス)神殿。パルテノン神殿とほぼ同じ時期に建てられたとのことです。
こちらからも、アクロポリス遺跡を望むことができます。
こちらの博物館では、18世紀から20世紀にかけてのギリシャの各民族の生活の様子が、展示されています。一口にギリシャといっても本土から、島々までエリアによって、その島の成り立ちや島民の出自、影響を受ける文化まで異なるため、地域の特徴が色濃く出ます。
フライトは夕方だったため、最終日は午前中に少し遠出をしてみました
せっかくギリシャに来たので、エーゲ海が見たいと思い地下鉄で行ける港町のピレウスへ行きました。地下鉄1号線の終点です。
ピレウス港はアテネ最大の港で、エーゲ海の島々に訪れる場合に使うことになる港です。このときはまだ、ここが難民が押し寄せる港や、中国資本に買収されるなど、思っても見ませんでしたが...。
ピレウスの市場では、魚、肉、野菜、生活雑貨などが揃っています。
なかなか良さげな外観の教会の建物です。
ピレウスの駅からアテネ中心部へ戻ります。地下鉄の中は快適ですが、車体は街中同様にラクガキだらけです。駅名はギリシャ文字なので慣れるまでは少し大変ですが、λ→Lなど学生時代の記憶と結び付けながらギリシャ文字のアルファベット文字を推測するのは、いい頭の体操になります。
プラットフォームの様子です。照明は明るく、特に危険を感じることはありませんでした。地下深くにありますが、出口を選べばエスカレーターもあるので、空港から大きな荷物があっても安心です。
歴史ある街中の地下鉄建設は、埋蔵物との戦いとはつきもの。駅の構内が、半ば歴史博物館のようになっている駅が複数存在します。
古代アゴラのすれすれを線路が走っていました。
街中には必ずあるキヨスクスタンド。ドリンクやスナックなどが揃っており、コンビニがない中で我々観光客は何度もお世話になります。
こちらも街中でよく見かける、くじ売り場です。
ギリシャ料理とトルコ料理は、もともとの文化圏が同じだったこともあり、かなり似ています。少々飽き飽きしていましたが、美味しいものばかりでした。
ホテルを選ぶ際にはシンタグマ地区を選びがちですが、プラカ地区の方が活気のあるタベルナが多いようです。
ギリシャと言えばもっともポピュラーな料理ががケバブです。はじめて海外でケバブを食べて以来、日本でもプレートでケバブを出して欲しいなーといつも思っているのですが、なかなか実現しませんね。
訪問したのはシンタグマ広場の近くにある「ピタパン」です。夜までやっているので、何かと便利です。
串焼き料理のスブラキは、ケバブ同様にギリシャでよく見かける料理です。とてもシンプルで、日本人にも合うお味です。
ギリシャのコーヒーと言えば、フラッペ。フラペチーノと名前が似ていますが全くの別物で、エスプレッソベースではなくインスタントコーヒーがベースとなっています。インスタントコーヒーを泡立てた飲み物です。
所詮インスタントコーヒーの味で、好みが分かれるかもしれませんが、泡立てているので単なるアイスコーヒーより風味が格段に良くなっています。だんだんとクセになってきます。
値段は1ユーロちょいと、エスプレッソベースの飲み物より安いのもあってか、ギリシャ人はフラッペばかり飲んでいます。
トルコでもバクラヴァを食べましたが、まさかギリシャでも食べられると思いませんでした。トルコの有名なお店の支店がアテネにもありました。
やはり甘いですね。トルコのように、濃いぃ紅茶と一緒に食べたいところです。
今でこそ日本でもよく知られるようになった、ギリシャヨーグルト。アテネのエーゲ航空のラウンジにも、しっかりありました。 やや固め。蜂蜜が入っていました。
アテネ市内に何店舗もあるほどブームだったフローズンヨーグルト。甘ったるくなく、スキっとした味で、どんどん食べられそうです。訪問したのは、yogoliciousというお店で、お好きな量のフローズン・ヨーグルトを入れて、好きなだけ果物やチップをトッピングして量り売りでお値段が決まります。100g 2ユーロと良心的な値段です。
撮影していい?と聞いたら、スプーンを揃えてくれました。苦笑。
ギリシャの人達を見ると、肥満体系な人ばかり目立ちます(EU内でも肥満率が高いそうです)。みんな甘い物がとにかく大好き。自分の体型管理にも甘くなっていきます。ギリシャ金融危機、なんて言葉を聞くと「そうなるわな」と思わざるを得ません。
ジェラートも美味しかったです。
シンタグマ広場付近でお土産を買おうと思っていたのですが、この日は運悪く日曜日。観光客向けのレストラン以外、ファッションブランド、スーパー、薬局は完全にお休みでした。一部を除いてキオスクまでが閉まっているのには、困りました。
「休日なし」とウェブサイトに書かれていたのを見て、わざわざ地下鉄に乗りアテネ・メトロ・モールへ向かいましたが、デパート自体は開いていたもののフードコートと映画館以外はすべてお休みという状況でした。
観光が国の収益の大きな柱になっているにも関わらず、日曜日は観光客がお金を落とすことはできないのはいかがなモノかと...と考えてしまいました。日曜日にお店を開ければみんなハッピーになるでは、というのは安直でしょうか。
別の日に、シンタグマ広場付近のカルフールに寄りました。職場のお土産で配れるお菓子も、ここで手に入れる事ができました。オリーブオイルも空港で買うよりも安く、たくさんの種類から選ぶことができます。空港で買うとオリーブオイルを機内まで持ち歩かなきゃいけないので、こちらで買って予めカバンに詰めてチェックインしてしまうのが楽です。
若干荷物がかさばりますが、スーパーではいろんな種類のパスタが手に入ります。MISKOが良いのだとか。
奥さんは、オリーブ石けんなどのコスメグッズを探して薬局を回っていました。どこの薬局の店員も観光客にも気軽に話し掛けてくれるのですが、値札が付いていないところが殆どで買うのに躊躇しました。いくつか店舗があるHondosCenterというデパートの方が、気軽に入れてオススメです。
ギリシャと言えば、ケバブ文化。色んな食べ方があります。まずはシンタグマ広場付近のピタパン。ギロピタのお店です。
ジューシーなお肉と、シャキシャキの野菜のコンビネーションが抜群です。
街中の至る所で、くるくると回るお肉をそぎ落としている様子を見ることができます。
タベルナで食べた、スブラキも美味しかったです。
スブラキは、串に刺して焼いたジューシーなお肉料理です。焼野菜と、パンとポテトが一緒にサーブされました。
こちらは別の日に食べたスブラキです。滞在中は肉とパンとポテトを飽きるほど食べました。
ギリシャ名物の一つが、グリークサラダ。濃いぃ野菜とオリーブの上にチーズを載せ、オリーブオイルとペッパーで味を調えて頂きます。特筆する味ではありませんが、野菜摂取にはもってこいの食べ物です。
写真撮影には失敗しましたが、こちらはムサカ。ナスとジャガイモのラザニアのようなものです。味は期待以上のものではないですが、日本人でも馴染みのある味で食べやすいものでした。
すっきりとした飲み口のビールです。アルコール度数もさほど高くないので、グビグビと飲めます。ギリシャの暑い陽射しの中を歩いてきたあとに飲むと最高です。
街中にはジェラート屋さんが沢山あります。
前回の訪問で美味しかったので、今回もヨーグリシャスへ寄りました。
まずはこのマシーンで、ベースとなるフローズンヨーグルトの味を選んでヨーグルトを詰めます。プレーンの他にはマンゴー風味などもありました。
トッピングは選び放題。ヨーグルトとトッピングを合わせた重量で、値段が決まります。
普通のアイスクリームより、サッパリとした味です。お店では「アイスクリームと比べてヘルシーです!」と推していますが、自宅だったらお代わりしてしまってチャラになってしまいそうです。
ギリシャでお馴染みのコーヒー「フラッペ」。大量のインスタントコーヒーと砂糖を少量の水をシェイカーにかけてふわふわのフォームを作り、水または牛乳を投入して少し混ぜれば出来上がりです。味は濃いのですが、なめらかな口当たりでインスタントコーヒーとは思えないほどの風味の飲み物でえす。個人的には、牛乳入りの方が好みです。
この日は7時前に起きて朝食を取り、早めにパルテノン神殿へ向かいます。自分は前回もパルテノン神殿を訪れていますが、奥様はアテネ初訪問ですし、スケールの大きい遺跡なのでまた再訪したいと思っていました。(翌年実現するとは思ってもいませんでしたが)
神殿まで行く途中に、前回は素通りをしたローマンアゴラに入ってみました。ここの入り口で、アクロポリス遺跡群の共通チケットをゲットしたことが、この後の運命の分かれ道となりました。
ローマンアゴラは紀元前1〜2世紀のアゴラで、市場兼集会場の役割だったとのことです。
石柱が多く並んでいます。かつてはどのような建物だったのでしょうか。
パルテノン神殿はローマンアゴラの目の前にあり、アクロポリスの丘を登ります。神殿の入り口まで来てみると、チケットブースが開くのを待つ人だかりが出来ていました。ここに来て知ったのが、本日はギリシャの総選挙のためローマンアゴラを除いて開門時間が2時間遅れるとのことでした。
遺跡関係者でも投票できるような計らいなのかもしれませんが、観光客にとっては大迷惑で、パルテノン神殿にはチケットを求める大行列ができています。
すでにローマンアゴラで共通チケットを購入していた我々は、そのままゲートの前で開門を待っていました。開門と同時にダッシュで駆け上がります。
いつも観光客でごった返していますが、ガラーンとしたいるパルテノン神殿です。
アクロポリスの丘からは、アテネ市街を一望できます。
神殿の建物をよく見ると、細かいレリーフが施されています。
アクロポリスの丘は、雑多な工事現場という感じです。これをどう復元していくのでしょうか。。
雑多にパーツが並べられていますが、元のパーツだったのか、復元済みのパーツかわかりません...。
元のパーツと復元パーツが、良い感じに溶け込んでいる気がします。
こちらはエレクティオン。少女像をの柱が特徴的です。
神殿の入り口付近は、観光客でごったがえしていました。
柱廊がある古代アゴラへ。横切る近代的な電車と、壁に描かれた落書きが残念な感じです。
「演台」とのことです。
柱廊は、気持ちが良いくらい直線的な建物です。
博物館にもなっています。
2世紀ごろの教会の復元。
壁画は17世紀ごろのもののようです。
テセウス神殿。アテネでもっとも原形を残している神殿です。内部は、立ち入り禁止になっていました。
こちらもレリーフが細かいです。
この後は、一旦宿で休んでからお出掛けしました。国会議事堂もあるシンタグマ広場周辺が、現代のアテネの政治の中心となっています。総選挙の各陣営のブースがあり、メディアがインタビューや中継を行っていました。夜はこの広場に支持者が集まり、候補者が勝利宣言をしている様子がテレビで放映されていました。
シンタグマ駅の地下には、オープンミュージアムがあります。発掘された遺跡がそのままの形で展示されていますので、是非立ち寄って見て下さい。
パルテノン神殿は日没後にライトアップされていて、神殿の大理石が綺麗に照らし出されています。撮影をしたローマンアゴラ周辺は特に危険を感じることはありませんでしたが、やはり夜の時間帯は気をつけましょう。