カイセリ空港は、周囲に何もない荒涼とした大地にポツンと存在します。空港周辺を見渡す限り、まだ奇岩群は見あたりません。

バスに乗り、1時間とちょっとで、カッパドキアの中心の街「ギョレメ」に到着しました。街全体が、洞窟や奇岩に囲まれています。

ギョレメの街のメインストリートには、ツアー業者やレストランやお土産屋などが並んでいます。非常にコンパクトで、西部劇出てくるような感じです。

街に出る前に夕陽が見られる場所を尋ねたところ、小高い丘があるというので行ってみました。少し歩きますが、十分徒歩圏内です。

街を歩いていると、いくつもの洞窟の家が見えます。かつて人が住んでいたと思われます。

住所があることから、こちらは本当につい最近まで住んでいたのかもしれません。

このように洞窟の中に滞在できるホテルもあります。

目的地に向かっている途中、目に飛び込んできたのは、グランドキャニオンに勝るとも劣らない壮大なカッパドキアの大地です。

到着しました。とりあえずパノラマで撮影。

下に見えるのが、ギョレメの街です。徐々に陽が落ちてきました。

他の観光客も一緒に夕陽を見ていました。

気球業者の選び方は?

カッパドキアで有名なアクティビティといえば、気球体験。ここ数年でエジプトでの事故があったので良いイメージを持っていなかったのですが、旅先で出会った人に「気球は絶対に乗るべき」と強く勧められたので、乗ってみることにしました。

カッパドキアにはたくさんの気球業者があり、選択に迷います。普通のホテルであれば、変な業者は勧めないだろうと考え、ホテルで紹介していた業者を予約しました。

利用したのは、KAPADOKYA BALLOONSという会社。トリップアドバイザーを見て、日本人のレビューが多かったのも選んだ理由の一つです。1時間コースは一人165〜175ユーロ、1.5時間コースは230〜250ユーロというお値段でした。1時間コースを選択しましたが、十分フライトを楽しめます。

早朝にホテルでピックアップがあり、一旦街中にあるラウンジに搭乗客が集まります。ラウンジでは、軽食やお茶などが振る舞われていまました。時間になると、搭乗するコースによって20人ほどのグループに振り分けられ、気球がある場所へ出発します。乗客の顔からは、期待と不安な気持ちが感じ取れます。

フライト準備

到着すると、沢山の気球が目に入りはいりました。これからパラシュートを膨らませようとしているものや、既に空気を入れて準備完了しているものもあります。

横たえたパラシュートを熱風で膨らませ、ある程度まで膨らんだらゴンドラごと立ち上げます。パラシュートとバーナーとゴンドラのみと、熱気球は非常にシンプルな構造です。

地面にが燃えないよう、シートで保護しています。 

一旦バーナーを止めて、気球を立ち上げました。

カゴのサイズは、各社いろいろあるようですが、今回は20人乗りです。

まず最初に、着陸時のインストラクションがありました。「着陸時には、背中を背面に押しつけて、前のハンドル部分をぎゅっと握ってください!」とのこと。スタッフのかけ声をもとに、何回か訓練を繰り返します。この練習段階では、着陸時にどの程度衝撃を受けるかまったく想像が付きませんでしたが、さほど大きな衝撃ではありませんでした。

離陸!ご来光フライトへ

徐々に周りの気球も浮上し、いよいよ自分達の気球もすっと浮き上がり、テイクオフです。エンジン等もなく、風も弱いので、上昇中も揺れたりもせず、非常に安定しています。

奇岩群の真横を、気球がすり抜けます。岩々の間から、何十ものバルーンが見えてきました。

日本人の団体旅行向けなのか、HISや阪急旅行社など日本語で書かれた専用バルーンも多々ありましたが、激しくダサいので勘弁してほしいところです。

本日のキャプテンのデニス。この一人の男が気球を操縦します。数年前のルクソールでの気球事故は、パイロットが現場を放棄して勝手に降りたとので、「頼むよー」という視線を送っておきました。

キャプテンは、上部にある4つのバーナーのコックを操ることで、気球をうまく操縦をしています。

上を見ると、バーナーから火が出ています。ほんのりと、火の温度が伝わってきます。バーナーはずっと付けているわけではなく、風に任せて飛ぶこともあります。

沢山の気球が飛んでいる姿は、圧巻でした。

ご来光がよく見えるポジションに陣取って、カッパドキアの奇岩群から登る太陽を待ちます。

太陽が昇りました。非常に美しい姿でしたが、この太陽のせいでとんでもなく暑い日となることは、このときは想像もしていませんでした。

8月なので、長袖を羽織って丁度良いくらいでした(冬場は無茶苦茶寒いようですが)。上空へ上がっても、さほど寒さは感じません。

「ちょっと上がってみるねー」ということで、かなり上空まで来ました。空気も、少しひんやりしてきて、バーナーを止めるとシーンと静まり、不思議な空間が広がっていました。高度を上げて地上からの距離が離れても、機体が安定しているので、意外に恐怖を感じません。

ギョレメの街の上をしばらく飛行します。

上空から見ると、改めてカッパドキアの変わった地形に驚きます。

着陸、そしてセレモニー

そろそろ高度も下がってきて、いよいよ着陸体制に。

着陸地点には、牽引車がやってきて、我々を迎えています。ある程度まで高度を下げた気球を地上からロープを引っ張り、牽引車にの上に着陸します。着陸もキャプテンの腕次第といったところで、木の枝に引っかかっているものもありました...。

こんな感じで着陸。 

下船した後は、パラシュート畳まれてお片付けの準備です。

ほっとしている間もなく、スタッフ達がフライトの成功を祝うために、ゴンドラを飾り付け、シャンパンセレモニーの準備をしています。

ジュースを混ぜて,カクテルにしていました。

全員に行き渡ったところで、乾杯!

カクテルで喉を潤している間に、搭乗証明が配られました。一人一人名前が呼ばれるのですが、恐怖を一緒に乗り切った「クルー」ということで、証明書を受け取るときに他の乗客からも温かい拍手をもらえました。

みんなパイロットを見つけると、感謝とねぎらいの言葉を掛けながら、写真を求めていました。

最後に「トリップアドバイザーに書いてよー、パイロットの名前も書いてくれたら、こいつが昇給するから」と笑いを誘っていました。こうやってレビューを集めているのはうまいですね。

カッパドキアの気球、おすすめです!

気球体験の後は、ギョレメ周辺を回る1日ツアーへ参加しましました。ギョレメの街を回るツアーは、レッドツアー、グリーンツアー、ブルーツアーの3つがありますが、そのうち最もポピュラーなのがレッドラインです。メインのスポットを外していた上、ガイドの質が低く英語も聞き取りづらかったので、総じて満足度が低いツアーとなってしまいました。

ウチサヒル

真ん中に巨大な岩の固まりが、ウチサヒル城です。一枚岩を用いて造られたお城とのことですが、時間がなく、内部を見学できる時間もありませんでした..。

チャウシン

カッパドキアの中では、もっとも古い住居地区の一つチュウシンです。5世紀ごろの古い洞窟協会もあったようだが、こちらも寄れませんでした。

陶芸の街アヴァノス

続いて古代からの陶芸で栄えたアヴァノスヘ。カッパドキアのアインシュタインという先生の工房を訪れます。見た目は確かに似ていました。工房では、有名な先生直々に、お手本を見せてくれます。ショップには、思わず買いたいと思わせる美しい模様のお皿や壺が沢山並べられていたのですが、お値段は高めで諦めました。

DEVRENT VALLEY

街道を走っていると、このような珍しい岩もあります。ラクダな岩で有名です。

パシャバー

こちらではキノコが生えているように、たくさんのキノコ岩が並んでいます。

ギョレメ野外博物館

野外にある博物館です。10〜13世紀にかけて造られた洞窟教会が、多く存在します。イスラム教徒が偶像崇拝を禁止しているため削られた箇所もあり、保存状態がよくないものもありますが、教会のフレスコ画は見物です。中でも、暗黒教会のフレスコ画はもっとも保存状態が良い物でした(撮影は禁止)。他にも、食堂や貯蔵庫などもあり、実際ににここで生活していたことが様子が窺えます。

 

食堂のテーブルとのこと。

 

トルコ絨毯屋

ツアーのお決まりなのか、最後はトルコ絨毯屋へ。染料となるものが展示されていました。

糸を紡ぎ出すデモも。

決められたパターン画に沿って、折っていく姿も。

たくさんの絨毯を紹介しながら広げていましたが、あいにくこの日は買っていく人は誰もいませんでした。

 

 

three-headed fairy chimney

ギョレメに滞在する際には、洞窟をくりぬいたホテルに泊まるのがお勧めです。他の都市ではなかなか体験できませんが、ギョレメには沢山の洞窟ホテルが存在します。滞在したカヤホテルは洞窟ホテル「風」でしたが、雰囲気を十分に楽しめました。日本人観光客も泊まるホテルのようで、ツアーバスも停まっていました。スタッフも親切でアメニティも充実しており、安心して泊まれるホテルです。

室内はこんな感じで、洞窟をくりぬいた「風」となります。デコボコの天井を期待していましたが...。

天井はかなり高め。

ギョレメの街からは徒歩5分と少しだけ歩きますが、周囲は落ち着いていて、景色が良いのが特徴です。部屋から奇岩群が見えるのは、嬉しいですね。

早朝に上空を見上げてみると、たくさんの気球が見えました。地上からもバーナーの音だけでなく乗客の声も、聞こえてきます。

夜になるとホテルの外観がライトアップされ、雰囲気が出ます。

こちらはランチビュッフェ。バスツアー中に滞在中のカヤホテルに向かっていたので、「変だな」と思っていたら、こちらでランチとのことでした。野菜やチーズが充実していました。

景色がとても良いバルコニーで、食事を取ることができます。

おまけ:ホテル前に停まっていたバス。TRの上にEUの星印が載る日はいつ来るのでしょうか。

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